月刊経理ウーマン オススメ記事のご紹介

最新号ではこんな内容が掲載されています。
■2026年6月号(5/20発行)
特別企画/小さなボヤでも対応を間違えると大火事になりかねない!!
会社を危うくする「労務トラブル」回避マニュアル

●令和8年度税制改正でインボイス制度の「経過措置」はこう変わる!
●「障害者雇用促進法」の改正に中小企業はこう対応しよう!
●経理が知っておきたい「増資」のメリット&デメリット
●「食料品の消費税ゼロ」─具体的な内容と今後の見通しを探る!
●「文房具屋さん大賞」2026─このステーショナリーがおススメだ!!
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(ヒャダインさん)

今月号の記事

経理ウーマン6月号/
特別企画/小さなボヤでも対応を間違えると大火事になりかねない!!
会社を危うくする「労務トラブル」回避マニュアル
弁護士(使用者側労務専門) 向井 蘭
 
トラブル多発の背景にある四つの要因とは

 近年、中小企業の経営者や人事労務担当者から「従業員との間でトラブルが増えた」という声を多く耳にするようになりました。実際に、個別労働紛争解決制度の相談件数は高水準で推移しており、特に解雇・雇い止め、パワーハラスメント、退職に関するトラブルが目立っています。なぜ、このような状況になっているのでしょうか。
 背景にある要因を整理すると、大きく四つに分けることができます。
 第一に、従業員の権利意識の高まりが挙げられます。 インターネットやSNSの普及により、労働者が自分の権利に関する情報を簡単に入手できるようになりました。「不当解雇は無効」「残業代は必ず支払わなければならない」「ハラスメントは法律で禁止されている」といった知識を持つ従業員が増え、自分が不当な扱いを受けたと感じると、会社に対して毅然と主張するようになっています。
 ひと昔前であれば「我慢するしかない」と泣き寝入りしていた問題が、今では声を上げることが当たり前になっているのです。
 また、YoutubeやSNSには「労働問題専門の弁護士・社会保険労務士」が情報発信するチャンネルが多数存在し、「こんな場合は会社に請求できる」「こういうことをされたらハラスメントに当たる」といった情報が手軽に入手できます。以前は弁護士に相談するためのハードルが高く、費用や心理的な壁があって泣き寝入りしていた従業員も、こうした情報を得ることで、積極的に権利を主張するようになっています。

「うちの会社は大丈夫」という油断は禁物!

 第二に、深刻な人手不足の問題があります。 労働力不足が続く中、会社が従業員を解雇したり不当な扱いをしたりすると、残った従業員のモチベーション低下や離職につながるリスクがあります。また、インターネットの口コミサイトや転職サイトに「ブラック企業」として書き込まれると、採用活動にも大きな支障をきたします。
 特に中小企業にとって、優秀な人材を一人失うダメージは大きく、労務トラブルが人材確保の面でも深刻な問題となっています。人材の流動性が高まった現代では、従業員は「嫌なら辞めればいい」という選択肢を持っており、以前に比べて会社側の立場が弱くなっているとも言えます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン6月号/
免税事業者からの仕入控除割合の引下げ 「2割特例」は法人は廃止に
令和8年度税制改正で
インボイス制度の「経過措置」はこう変わる!
公認会計士・税理士 工藤聡生
税理士 成島靖志
 
 「経営とは、突き詰めれば資金繰りである」─これは多くの経営者が実感する真理であり、それを見守る経理担当者の皆さんにとっても共通の認識ではないでしょうか。とくに消費税という税金は、経営において最も「資金繰り管理」を狂わせる難敵です。お客様から預かったはずの税金が、申告時期になると一気に多額のキャッシュアウトとなって会社を圧迫するからです。
 この「預かり金」をいかに手元に残し、納税の瞬間を平準化できるかが、経理担当者の腕の見せ所と言っても過言ではありません。
 令和5年10月に導入されたインボイス制度から間もなく3年。ようやく実務がルーチン化してきた担当者の方も多いなか、令和8年度(2026年度)に税制改正というルール変更が行なわれます。これにより制度導入時の混乱を和らげてくれていた「激変緩和措置」がいよいよ終了・縮小し、実務と資金繰りに影響が生じてきます。
 具体的には、以下の2点が改正になります。

◎法人の「2割特例」の終了(納税額の増加リスク)
◎免税事業者からの仕入れに係る「80%控除」の引下げ

 「せっかく慣れたのに、またルール変更?」と感じるかもしれません。しかし、そもそもこの制度は、社会保障の充実と強化の財源を確保するという重い目的のために誕生したものです。私たちは、この制度の目的を理解した上で、複雑なルールを「単なる記帳作業」としてではなく、「戦略的な資金繰り対策」として捉え直す必要があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン6月号/
早ければ2027年春にスタートする可能性も!?
「食料品の消費税ゼロ」─具体的な内容と今後の見通しを探る!
氷室 研
 
給付付き税額控除導入までの「つなぎ策」?

 ご存じのように今年2月8日に投開票が行なわれた衆院選で、高市早苗首相(総裁)率いる自民党が圧勝しました。その自民が公約として掲げたのが「2年間に限定した食料品の消費税ゼロ」です。実現するとみられるのは、早ければ2027年春。物価の高騰が続く中、毎日買わなければならない食料品の消費税率が大きく下がれば、私たちの暮らしはとても助かり、日本経済にも追い風となるでしょう。
 しかし一方で、数兆円規模の財源をどう得るかといった財政全体についての問題や、インボイス(適格請求書)の実務の複雑化といった経理担当者の負担増も予想されます。では「2年間の食料品の消費税ゼロ」は日本経済や企業にどんな影響を与えるのでしょうか。
 「軽減税率が適用されている飲食料品については、特例公債(赤字国債)に頼ることなく、2年間に限り、消費税をゼロ税率とすることにつき、スケジュールや財源のあり方など、その実現に向けた諸課題に関する検討を加速します」
 衆院選で自民党が大勝した直後の2月18日、高市首相は首相官邸で開いた記者会見でこう述べ、食料品の「消費税率ゼロ」に意欲を示しました。そして、「野党からの協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行ない、税制改正関連法案の提出を目指します」とも話しました。
 その言葉どおり、政府は与野党を超えて消費税率ゼロを話し合う「社会保障国民会議」を立ち上げ、課題の洗い出しや制度づくりなどの話し合いを始めました。夏までに結論を取りまとめる予定です。
 3月18日に開かれた国民会議の会合では、参加した小売業界の関係者から、税率ゼロの準備には、システム改修などで、法改正から「最低でも1年」かかるとの見方が出ました。同25日の会合では、経団連や連合の関係者から、代わりの財源をまずはっきりとさせることの大切さや、外食産業への影響に留意する必要性、実務の現場の混乱といった課題が示されました。
(詳しくは本誌をご覧ください)

前月号の記事

経理ウーマン5月号/
特別企画/決算書を読み解けば あなたの会社の改善点が分かる!!
ビギナー経理のための「経営分析」入門
税理士 伊藤千鶴
 
Lesson1 そもそも「経営分析」とはどんなものかを押さえておこう!

B/S・P/Lから会社の状態を考える

 経理の仕事の一つに、会社の日々の取引を伝票にして、会計ソフトの入力をすることがあります。会計ソフトでは、その入力をした取引をもとに貸借対照表・損益計算書はもちろんのこと、設定次第でキャッシュフロー計算書も作成できますよね。
 さて、経理ご担当者の皆さんは、この貸借対照表・損益計算書を作成した後、どのように数字の確認をしているでしょうか。
 日々の業務に追われて余裕がなく、充分に数字を把握できていないという方もいれば、社長や役員に報告する直前に確認するという人もいるかもしれません。あるいは、すでに経営分析の指標を使用しながら数字を把握しています、という人もいるかもしれませんね。
 本稿のテーマは「経営分析」です。経営分析は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などを用いて行なうものです。中小企業であれば、経理の皆さんが作成をした貸借対照表・損益計算書をもとに行なうことになります。
 経営分析というと、仰々しい感じがしますが、ここでは、経営分析をしたことがない方や経営指標に慣れていない方でも、「そういう見方があるのか!」と感じてもらえる内容を目指しています。
 ところで、そもそも経営分析とは、何をするのでしょうか? 経営分析には、いろいろな定義の仕方がありますが、本稿では、「会社の貸借対照表・損益計算書の数字から、今、会社がどのような状態であるかを考えること」を指します。
 具体的には、会社にどのくらい売上があるのか、その売上は前年と比べて増加しているのか、利益は増えているのか減少しているのかを確認します。さらに、増加しているのであれば、なぜ増加しているのかを考えていくことを想定しています。

変化が起きた理由を考えてみる

 このような経営分析は、経営コンサルタントやアナリストのような専門家だけの仕事ではない、ということはご理解いただけるかと思います。決して、経営指標の計算式を用いて、難しい指標の計算をすることや、経営の改善案を提案することが経営分析の目標ではないのです。
 もちろん、経営の改善案の提案までできれば素晴らしいですが、まずは、数字を見る→数字の変化に気づく→なぜ変化をしたのだろうと考えることを目指しましょう。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン5月号/
どんな条件で損金算入が可能なの? 税務調査でトラブらないための対策は?
「交際費の税務」が丸ごと理解できる講座
税理士 定岡佳代
 
 本稿では、交際費の意味と損金不算入制度について、「いまさらだけど知っておきたいポイント」を、実務に即してじっくりと見ていきましょう。

Q.そもそも「交際費」とはどんな費用なのですか?

 企業が事業を運営していく中で、取引先を接待したり、お中元やお歳暮を贈ったりすることは日常的に行なわれています。これらの費用を会計上は「接待交際費」として処理しますが、税務上の定義はもう少し厳格に定められています。
 税法における交際費とは、「租税特別措置法」という法律の中で、次のように定義されています。
 「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう。
 
 この条文の意味を、具体的に紐解いてみましょう。

① 交際費、接待費、機密費、その他の費用- 勘定科目はすべて「交際費」
 交際費の仲間に「接待費、機密費、その他の費用」という言葉がズラリと並んでいます。会社によって勘定科目の名前はバラバラかもしれませんが、税務署は「名前」ではなく、そのお金が「何のために使われたか」という「中身」で判断します。

「接待費」:一般的には、取引先をレストランに招待したり、ゴルフに誘ったりする、いわゆる「おもてなし」の費用です。交際費の中でも一番イメージしやすい、メインキャラのような存在です。
「機密費」:聞きなれない勘定科目ですが、昔ながらの会社さんだと、社長が対外的な交渉のために、領収書が出せないような場面で使う「使途秘匿金」に近いニュアンスで使われることがありました。しかし現代の税務では、たとえ「機密費」という名前であっても、内容が接待やお付き合いであれば、それは立派な「交際費」として扱われます。「名前を機密費にすればチェックされない」なんてことはないので、注意してください。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン5月号/
被害者へのお詫び コールセンターの設置
システム復旧などで数千万円の費用が発生することも
「顧客情報」の漏えいで会社を潰さないための日頃の心得集
水谷IT支援事業所代表 水谷哲也
 
 2025年9月、アサヒグループHDがランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求するウイルス)による攻撃を受け、最大で約152万5000件の個人情報が漏えいした可能性があると発表されました。この攻撃の影響は情報漏えいだけに留まりません。主力であるビール製品などの受注・出荷システムが停止。現場では、FAXや電話で注文を受けるという「アナログな対応」を余儀なくされました。
 国内約30ヵ所の工場が停止したことで、飲食店が他社メーカーのビールへ切り替える動きも広がり、10~12月期の売上が約2割減少するという甚大な被害を同社にもたらしました。なお、システムの復旧には約2ヵ月を要しています。
 また、2025年2月には保険ショップ「保険見直し本舗」で、約510万件という大規模な個人情報漏えいが発生しました。運営会社のサーバーが攻撃を受けた際、氏名や連絡先だけでなく、家族構成やライフプランといった極めて秘匿性の高いプライベートな情報まで流出しています。
 さらに今年に入ってからも、日本医科大学・武蔵小杉病院が攻撃を受け、患者約1万人分の個人情報が漏えいしたと発表されました。このように、業種を問わずサイバー攻撃の脅威は続いています。

サイバー攻撃をにはさまざまに種類がある

 サイバー攻撃には、身代金を要求する「ランサムウェア」以外にもさまざまな種類があります。
 まずは、金銭目的ではなく「嫌がらせ」を目的とした攻撃です。ウイルス感染によって乗っ取られた多数のパソコンへ外部から指令を出し、特定のサイトに一斉アクセスさせてサーバーをダウンさせる手法(DDoS攻撃:ディー・ドス攻撃)があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)

前々月号の記事

経理ウーマン4月号/
特別企画/少額減価償却資産の上限引上げ 事業承継税制における提出期限の延長 
食事補助の非課税枠拡大…
経理担当者として押さえておきたい
「令和8年度税制改正」のポイント解説
税理士 森 康博
 
 LESSON1 令和8年度の税制改正─まずは概要を押さえておこう!

 税制調査会メンバーが一新された

 皆さん、いつも「連載/実務レッスン講座」でE子や部長とともにお世話になっております税理士の森と申します。今回は税制改正について、皆さんと一緒に勉強していくこととなりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。それでは、始めてまいりましょう!

 令和8年度税制改正の特徴の1つとして、税制調査会メンバーの刷新が挙げられます。前回、令和7年度の税制改正の中心メンバーといえば、宮沢洋一自由民主党税制調査会会長でした。「財政再建・増税」を重視していると言われており、3党合意も何のその。いわゆる「103万円の壁突破」「ガソリン税暫定税率廃止」に「財源はどうするのか?」と立ちはだかる「ラスボス」とも呼ばれていたのは記憶に新しいところです。
 その後、令和7年7月の参院選での自民党大敗を受けて、10月4日に行なわれた自由民主党総裁選挙で高市早苗氏が総裁となり、10月21日に総理大臣となりました。高市氏は「責任ある積極財政」という理念を掲げ、これまでの石破総理や宮沢洋一氏の理念とは異なる方針で日本経済をけん引していくこととし、新たに小野寺五典氏を税制調査会の会長に据えて、税制改正大綱を日本維新の会と共同で練ることとなりました。
 ところで、国家の運営にかかるお金の流れの考え方の1つに「プライマリーバランス」という考えがあります。国の収入(=税収・その他の収入)が、政策経費(=国債関連費を除く行政サービス費)を上回っていればよい、という考え方です。
 もし逆に国の収入が足りない(国の収入を政策経費が上回る)場合には、国債を発行して不足を賄うことになります。国債は「社債」のような借金ですので、決められた期間での返済が必要となりますし、利息の支払いも必要です。ですから国債が増えすぎると問題だ、という考え方です。令和7年の税制改正までは、税収をなるべく確保してプライマリーバランスを何とか黒字化したい、それこそが第一!という考えが根本にありました。
 これに対して高市政権の掲げる理念は、「責任ある積極財政」です。「積極財政」は、財源の確保を待つのではなく、必要な投資を先行させることで経済の状況を活性化し、税収増を目指すという考え方です。ただし、「責任ある」という修飾語がついており、これは際限なく国債を発行することを否定していることを示しています。

高市政権が目指す大胆な財政出動とは
 
 「責任ある積極財政」の根本にある考えが、「ドーマー条件」という財政理論です。「ドーマー条件」とは、名目経済成長率が国債の金利を上回っていれば、プライマリーバランスが赤字であっても、財政は安定する(持続可能となる)というものです。
 国の借金の増え方よりも経済全体の成長速度が早ければ、相対的な負担(対GDP比)は低下するので、財政が安定するという意味ですね。高市首相は「増税に頼らずとも、経済パイを拡大することで財政健全化は可能だ」と発言しているところからも、この考えに基づいていることをうかがい知ることができます。大胆な財政出動が呼び水となり、企業が国内投資を加速させ、それが賃上げにつながり、消費が増えることでデフレ脱却と税収増が達成されるという好循環を実現しよう!ということでしょう。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン4月号/
会社のバトンタッチを考えている社長に教えてあげよう!
どこよりも分かりやすい「事業承継税制」の内容&上手な使い方
円満相続税理士法人  大阪事務所代表 税理士 中岡倫邦
 
 こんにちは、相続専門の税理士の中岡倫邦と申します。本日は、事業承継税制の内容と上手な使い方について、分かりやすく解説していきます。
 さて、事業承継税制の話をしていく前に、そもそもオーナー経営者の事業承継とはどういうことなのでしょうか? ひと言で言うと、オーナーも経営者も次世代の後継者に交代するということです。オーナーとは直訳すると所有者ですが、会社の所有者は株主なので、株主のことです。そして、誰が株主かと言えば、自社株を持っている方です。
 経営者とは簡単に言うと社長のことですね。つまり、自社株を後継者に譲り、社長の職も後継者に譲る、これがオーナー経営者の事業承継ということです。
 ここで後継者にとって悩ましい問題が生じます。自社株を現オーナー経営者から譲り受けるわけですが、譲り受ける方法は3つしかありません。贈与か、相続か、売買かの3つです。
 贈与または相続で譲り受ける場合には、贈与税または相続税がかかります。一方で、売買で譲り受ける場合には、買取資金が必要になります。会社の経営が順調で自社株の評価が高ければ、贈与税や相続税は高額になりますし、買取価格も高額になります。
 そうなると多額の資金がないと事業承継ができないということになってしまいますが、贈与または相続で自社株を譲り受けた場合の税金の負担をやわらげることができるのが、本日解説させていただく事業承継税制です。じつは、事業承継税制には一般措置と特例措置(後述の通り期間限定の特例)という2種類があるのですが、本日は、効果の大きい特例措置に絞って解説させていただきます!

そもそも事業承継税制とはどんなものかを知っておこう

 事業承継税制とは、ひと言で言うと、先代経営者から贈与または相続で自社株を譲り受けた後継者が事業を継続させることを条件に、本来支払うはずだった贈与税や相続税の納税を猶予してくれる制度です。さらに、将来的に、後継者が次の後継者に承継させることができた場合には、猶予されている納税が免除になります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン4月号/
終身雇用を前提とした退職金の支給方法は時代遅れ?
最近導入企業が増えている
「ポイント制退職金制度」の仕組みと導入手順教えます
社会保険労務士法人あいパートナーズ 社会保険労務士 岩本浩一
 
 「退職金といえば、長く勤めれば自動的に増えるもの」。そんな常識が今、大きく変わろうとしています。厚生労働省の調査では、すでに大企業の約半数が新しい仕組みを導入しているというデータもあり、従来の「年功序列型」から卒業する会社が急増しています。
 最近注目されている「ポイント制退職金」は、毎年の頑張りや役割がポイントとして積み上がっていく、いわば「成果が見える化」された制度です。企業にとっては将来のコストを管理しやすく、従業員にとっては貢献度が金額に反映されやすいという特徴があります。
 以下に「自分の退職金はどうやって決まるの?」という素朴な疑問を解消するために、仕組みや計算方法、知っておくべき注意点をスッキリまとめました。

ポイント制退職金の基本は実力主義・成果主義

 ポイント制退職金とは、在職中の「等級・役職・評価・勤続」などの要素をポイント化し、毎年積み立てたポイントの累計をもとに退職金額を算出する制度です。
 この制度の基本は、従業員の貢献度を毎年数値として確定させていく点にあります。具体的な流れとしては、まず年度ごとに本人の職能等級や役職、人事評価に基づいたポイントが付与されます。これが退職時まで累積され、最終的な累計ポイントに対して「ポイント単価(1ポイント=〇円)」を掛け合わせることで、ベースとなる退職金額が決まります。さらに、退職理由に応じた支給率を適用して最終的な振込額が決定されます。
 従来の制度と異なり、ポイント制は「過去の貢献の蓄積」を重視します。毎年の頑張りがその都度「ポイント」という目に見える形で確定していくため、不透明な計算過程が排除されるのが特徴です。また、この仕組みはデジタル化された人事管理システムとも相性が良く、従業員がいつでも自分の「累積退職金ポイント」を確認できるような仕組みを構築している企業も少なくありません。
 ではポイント制退職金は、従来方式(最終給与・定額制)とどう違うのでしょうか。
 従来の「最終給与連動型」は、退職直前の給与水準に勤続年数に応じた係数を掛ける計算方法でしたが、これには大きな弱点がありました。例えば、若手の頃に死に物狂いで働いて大きな利益を上げたとしても、退職直前に役職を外れて給与が下がってしまうと、若き日の貢献が退職金に反映されにくかったのです。
(詳しくは本誌をご覧ください)
「月刊経理ウーマン」
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)
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