
最新号ではこんな内容が掲載されています。
■2026年9月号(8/20発行)
特別企画/最近の傾向からやってはいけないタブー言動まで
特別企画/最近の傾向からやってはいけないタブー言動まで
敵を知れば百戦危うからず!?
「税務調査」の疑問が氷解する14問14答
●もう一度おさらいしておきたい「棚卸資産」の税務知識
●「社員の定着」を実現するための実践ガイド
●「源泉徴収の実務」─こんなときどうする?
●「忙しいのに儲からない」と感じたときにチェックすべき5つの項目
●いろいろあります 「株主優待」の大研究
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(伊藤さとりさん)
●「社員の定着」を実現するための実践ガイド
●「源泉徴収の実務」─こんなときどうする?
●「忙しいのに儲からない」と感じたときにチェックすべき5つの項目
●いろいろあります 「株主優待」の大研究
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(伊藤さとりさん)
今月号の記事
経理ウーマン9月号/
特別企画/最近の傾向からやってはいけないタブー言動まで 敵を知れば百戦危うからず!?
「税務調査」の疑問が氷解する14問14答
税理士・米国税理士 出口秀樹
やましいことがなくても不快なものは不快!?
“税務調査”。この四文字を耳にした瞬間、胸の奥がざわつく方は少なくないと思います。
会社経営者はもちろん、経理担当者であっても、できれば一生縁がないままでいたいと考えるでしょう。税理士である私でさえ、進んで受けたいと思ったことは一度もありません。ただし、納税者の代理人として調査に臨む税理士は、どれほど経験を積んでも、当事者である納税者と同じ心境にはなれないものです。
…そう感じていたのは、あの日まででした。ある日の午後、事務所の電話が鳴りました。受話器を取ると、落ち着いた声が耳に届きます。
調査官「〇〇税務署・個人課税部門の特別調査官〇〇です。〇月〇日から5日間の予定で税務調査を実施したいのですが」
私「そうですか。どちらの納税者の件でしょうか?」
調査官「先生ご自身の調査です」
私「…あ、そうですか」
その瞬間、背筋に冷たいものが走りました。税理士人生で初めて“自分が調査される側”に回ったのです。税理士が調査対象となれば、担当するのは当然ながら腕利きの特別調査官です。こちらはといえば、他の税理士に依頼するわけにもいかず、ほぼ100%自分で対応するしかありません。
調査が始まってみて痛感しました。何もやましいことがなくても、不快なものは不快なのだと。幸い、申告内容に修正事項は一つもなく、3期分すべて“是認”という結果をいただきました。しかし、調査期間中は常に「どこかに見落としがあるのではないか」という不安が頭をよぎります。税理士であっても、それは同じです。
本稿では、世間でまことしやかに語られる“税務調査の疑問”に、現役税理士としてお答えしていきます。昨今はAIの普及により、今回取り上げる14の疑問も、検索すれば瞬時に回答が得られる時代になりました。しかし、その回答には 古い情報や明らかな誤りが混じることも少なくありません。
AIはWEB上の情報を参照しますが、税制は毎年改正されます。古い情報をうのみにすれば、実務では致命的な判断ミスにつながります。
税務の世界でAIを使うなら、慎重さが欠かせません。税務調査は、会社の状況、経営者の姿勢、税理士の対応など、複数の要素が絡み合って結果が変わります。ただし、原則は変わりません。本稿では、その原則を中心に、実務の現場で感じる“生の空気”も織り交ぜて解説していきます。
“税務調査”。この四文字を耳にした瞬間、胸の奥がざわつく方は少なくないと思います。
会社経営者はもちろん、経理担当者であっても、できれば一生縁がないままでいたいと考えるでしょう。税理士である私でさえ、進んで受けたいと思ったことは一度もありません。ただし、納税者の代理人として調査に臨む税理士は、どれほど経験を積んでも、当事者である納税者と同じ心境にはなれないものです。
…そう感じていたのは、あの日まででした。ある日の午後、事務所の電話が鳴りました。受話器を取ると、落ち着いた声が耳に届きます。
調査官「〇〇税務署・個人課税部門の特別調査官〇〇です。〇月〇日から5日間の予定で税務調査を実施したいのですが」
私「そうですか。どちらの納税者の件でしょうか?」
調査官「先生ご自身の調査です」
私「…あ、そうですか」
その瞬間、背筋に冷たいものが走りました。税理士人生で初めて“自分が調査される側”に回ったのです。税理士が調査対象となれば、担当するのは当然ながら腕利きの特別調査官です。こちらはといえば、他の税理士に依頼するわけにもいかず、ほぼ100%自分で対応するしかありません。
調査が始まってみて痛感しました。何もやましいことがなくても、不快なものは不快なのだと。幸い、申告内容に修正事項は一つもなく、3期分すべて“是認”という結果をいただきました。しかし、調査期間中は常に「どこかに見落としがあるのではないか」という不安が頭をよぎります。税理士であっても、それは同じです。
本稿では、世間でまことしやかに語られる“税務調査の疑問”に、現役税理士としてお答えしていきます。昨今はAIの普及により、今回取り上げる14の疑問も、検索すれば瞬時に回答が得られる時代になりました。しかし、その回答には 古い情報や明らかな誤りが混じることも少なくありません。
AIはWEB上の情報を参照しますが、税制は毎年改正されます。古い情報をうのみにすれば、実務では致命的な判断ミスにつながります。
税務の世界でAIを使うなら、慎重さが欠かせません。税務調査は、会社の状況、経営者の姿勢、税理士の対応など、複数の要素が絡み合って結果が変わります。ただし、原則は変わりません。本稿では、その原則を中心に、実務の現場で感じる“生の空気”も織り交ぜて解説していきます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン9月号/
非効率な仕事の進め方 無駄なコストの増加… 原因を把握して早めに対策を講じよう!!
「忙しいのに儲からない」と感じたときに
チェックすべき5つの項目
株式会社チャイルドピース代表取締役 中小企業診断士 筑間 彰
売上は前年を上回り、注文も増えている。社員は電話やメールへの対応に追われ、現場では残業も続いている。それなのに、月末の試算表を見ると利益はほとんど増えていない-。「これだけ忙しいのに、どうして儲からないのだろう」。こんな声を、社内で聞いたことはないでしょうか。
あるいは、自分自身がそう感じていることがあるかもしれません。こうしたとき、「会計処理のどこかが間違っているのでは」と心配になる方もいるでしょう。しかし、数字が合っていても、忙しさが利益につながらないことはあります。売上を増やすために、仕入、外注、残業、配送などの費用がそれ以上に増えていれば、会社に残る利益は少なくなるからです。
まず押さえておきたいのは、「売上」と「利益」は別のものだということです。売上から、商品を仕入れたり製造したりするために直接かかった費用を差し引いたものが「粗利益」です。さらに粗利益から、人件費、家賃、広告費などの経費を差し引いて、ようやく営業利益が残ります。売上のすべてを自由に使えるわけではありません。
また、「利益は出ているのに現金が残らない」という場合は、売掛金の回収が遅れていないか、在庫が増えていないか、借入金の返済が大きくないかも確認が必要です。利益と現金の動きは必ずしも一致しません。ただし、そもそもの利益が少なければ、資金繰りだけを工夫しても根本的な解決にはなりません。まずは利益がどこで減っているかを確かめ、その後に現金の流れを見る、という順番で考えましょう。
あるいは、自分自身がそう感じていることがあるかもしれません。こうしたとき、「会計処理のどこかが間違っているのでは」と心配になる方もいるでしょう。しかし、数字が合っていても、忙しさが利益につながらないことはあります。売上を増やすために、仕入、外注、残業、配送などの費用がそれ以上に増えていれば、会社に残る利益は少なくなるからです。
まず押さえておきたいのは、「売上」と「利益」は別のものだということです。売上から、商品を仕入れたり製造したりするために直接かかった費用を差し引いたものが「粗利益」です。さらに粗利益から、人件費、家賃、広告費などの経費を差し引いて、ようやく営業利益が残ります。売上のすべてを自由に使えるわけではありません。
また、「利益は出ているのに現金が残らない」という場合は、売掛金の回収が遅れていないか、在庫が増えていないか、借入金の返済が大きくないかも確認が必要です。利益と現金の動きは必ずしも一致しません。ただし、そもそもの利益が少なければ、資金繰りだけを工夫しても根本的な解決にはなりません。まずは利益がどこで減っているかを確かめ、その後に現金の流れを見る、という順番で考えましょう。
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経理ウーマン9月号/
在庫の評価額はどう計算する? 税務調査対策のポイントは?
もう一度おさらいしておきたい「棚卸資産」の税務知識
森公認会計士・税理士事務所 森 哲哉
本稿では企業会計の中でもとても重要な資産である棚卸資産について考えていきましょう。「今月は棚卸がある」なんて誰かが言うのを、多くの方が一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。棚卸というのは、何がどれだけあるか数量を確認していく作業に他なりません。時間も手間もかかります。しかし、多くの企業が時間や手間をかけてそれを行なっています。
一体なぜでしょうか? それは棚卸資産がとても重要であるからに他なりません。その重要性について、これから一緒に検討していきましょう!
棚卸資産の数量如何で利益が大きく変わる!
そもそも「棚卸資産」ってなにを指すのでしょうか? 端的に言うと、棚卸資産とは、企業が営業活動を通じて販売する目的で一時的に保有している資産の総称です。一般的に「在庫」などと呼ばれることもあります。勘定科目としては、次のように表記されます。
「商品」…卸売業・小売業などで仕入れて、そのまま販売するもの
「製品」…製造業で完成した販売可能なもの
「半製品・仕掛品」…製造途中にあるもの
「原材料」…製品製造のための材料
「貯蔵品」…その他の販売や一般管理活動で短期間に消費されるものなど
棚卸資産は貸借対照表の流動資産に計上され、売上原価の計算に直結するため、企業の利益や税金に大きな影響を与えることになります。
一体なぜでしょうか? それは棚卸資産がとても重要であるからに他なりません。その重要性について、これから一緒に検討していきましょう!
棚卸資産の数量如何で利益が大きく変わる!
そもそも「棚卸資産」ってなにを指すのでしょうか? 端的に言うと、棚卸資産とは、企業が営業活動を通じて販売する目的で一時的に保有している資産の総称です。一般的に「在庫」などと呼ばれることもあります。勘定科目としては、次のように表記されます。
「商品」…卸売業・小売業などで仕入れて、そのまま販売するもの
「製品」…製造業で完成した販売可能なもの
「半製品・仕掛品」…製造途中にあるもの
「原材料」…製品製造のための材料
「貯蔵品」…その他の販売や一般管理活動で短期間に消費されるものなど
棚卸資産は貸借対照表の流動資産に計上され、売上原価の計算に直結するため、企業の利益や税金に大きな影響を与えることになります。
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前月号の記事
経理ウーマン8月号/
特別企画/トラブルを回避して従業員との信頼関係につなげる!
小さな会社の「就業規則」―これだけは押さえておこう!!
コントリビュート社会保険労務士法人代表
特定社会保険労務士 志戸岡 豊
特定社会保険労務士 志戸岡 豊
就業規則は「職場のルールブック」だ
はじめに、就業規則の基本の「キ」として、作成する意義と法令上の作成義務基準について確認しておきましょう。
就業規則とは、ひと言で言えば、「職場のルールブック」です。もう少し詳しくいえば、社員がその職場で働くうえでの守るべきルールや働いた場合にもらえる給料や受けられる保障、福利厚生といった待遇を定めた文書ということになります。そのため、就業規則がない会社は、ルールが明文化されていない状態と言えます。
就業規則以外の書類、例えば個別の雇用契約書に給料に関する事項が書かれていたとしても、雇用契約書に記載された以外のことについては社長の頭の中にある状態になります。
就業時間や休日、給料(お金)をはじめとした働くうえでの重要な労働条件がころころと変わっては働く社員にとっては不安定で生活保障がありませんし、そもそも、会社側がいったん決めた給料や休日といった労働条件を勝手に悪く改定することはできません。
社長が1人で会社を創業し、その後初めて社員を雇用するようになった時点では、初めてのことだらけで、社員に対するルールが定まっていません。その後、1人また1人と雇用する社員が増えていく中で、自社の雇用条件や給与の統一的なルールを検討することが多いと言えます。そのため、法令(労働基準法)においても、就業規則は、社員が1人や2人の会社には作成が義務付けられてはおらず、労働基準法により「常時10人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇用する事業場」に作成・届出が義務付けられています。
筆者は社会保険労務士として多くの企業の就業規則の作成・整備に携わってきましたが、この常時10人以上というのは非常に良い塩梅の基準です。本音を言えば社員数が1人だったとしても、就業規則を整備する意味はあります。しかし、実際の雇用の現場は1人目に例えばパートさんを雇用し、2人目に正社員を雇用しようとなった場合、自社の待遇や労働条件について考えてみたところで、社員全員に適用する統一的なルールをどのような内容にするのがいいのかは経営者にとっても、まだわからない状態です。
はじめに、就業規則の基本の「キ」として、作成する意義と法令上の作成義務基準について確認しておきましょう。
就業規則とは、ひと言で言えば、「職場のルールブック」です。もう少し詳しくいえば、社員がその職場で働くうえでの守るべきルールや働いた場合にもらえる給料や受けられる保障、福利厚生といった待遇を定めた文書ということになります。そのため、就業規則がない会社は、ルールが明文化されていない状態と言えます。
就業規則以外の書類、例えば個別の雇用契約書に給料に関する事項が書かれていたとしても、雇用契約書に記載された以外のことについては社長の頭の中にある状態になります。
就業時間や休日、給料(お金)をはじめとした働くうえでの重要な労働条件がころころと変わっては働く社員にとっては不安定で生活保障がありませんし、そもそも、会社側がいったん決めた給料や休日といった労働条件を勝手に悪く改定することはできません。
社長が1人で会社を創業し、その後初めて社員を雇用するようになった時点では、初めてのことだらけで、社員に対するルールが定まっていません。その後、1人また1人と雇用する社員が増えていく中で、自社の雇用条件や給与の統一的なルールを検討することが多いと言えます。そのため、法令(労働基準法)においても、就業規則は、社員が1人や2人の会社には作成が義務付けられてはおらず、労働基準法により「常時10人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇用する事業場」に作成・届出が義務付けられています。
筆者は社会保険労務士として多くの企業の就業規則の作成・整備に携わってきましたが、この常時10人以上というのは非常に良い塩梅の基準です。本音を言えば社員数が1人だったとしても、就業規則を整備する意味はあります。しかし、実際の雇用の現場は1人目に例えばパートさんを雇用し、2人目に正社員を雇用しようとなった場合、自社の待遇や労働条件について考えてみたところで、社員全員に適用する統一的なルールをどのような内容にするのがいいのかは経営者にとっても、まだわからない状態です。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
ありがちなケースにズバリ答えます!
「役員報酬の実務」7問7答
公認会計士・税理士 大西康記
まず基本的な事項ですが、最初に役員の範囲について確認しておきましょう。
法人の役員といえば、皆さんもすぐに取締役・監査役などを思い浮かべるでしょう。これらは会社法で定められている役員であり、法人の登記事項となります。その他にも会社法上の登記される役員として、執行役、会計参与、理事、監事、清算人などが該当します。
これに対して法人税法上の役員とは、会社法上の役員をもちろん含みますが、さらに範囲が広くなっています(図表1参照)。会社法上の役員の他に、次の者も役員に含まれると考えてください。
① 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件(注)を満たす者で、その法人の経営に従事している者
(注)株式などの所有条件が決められていますが、ここでは詳細は省略します。
①②とも、「法人の経営に従事している者」となっていますが、ここがなかなか判断が難しいところです。事業運営上の重要事項(事業計画や人事など)について、法人の意思決定に参画しているような場合が該当します。
法人の役員といえば、皆さんもすぐに取締役・監査役などを思い浮かべるでしょう。これらは会社法で定められている役員であり、法人の登記事項となります。その他にも会社法上の登記される役員として、執行役、会計参与、理事、監事、清算人などが該当します。
これに対して法人税法上の役員とは、会社法上の役員をもちろん含みますが、さらに範囲が広くなっています(図表1参照)。会社法上の役員の他に、次の者も役員に含まれると考えてください。
① 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件(注)を満たす者で、その法人の経営に従事している者
(注)株式などの所有条件が決められていますが、ここでは詳細は省略します。
①②とも、「法人の経営に従事している者」となっていますが、ここがなかなか判断が難しいところです。事業運営上の重要事項(事業計画や人事など)について、法人の意思決定に参画しているような場合が該当します。
登記はされておらず、相談役や顧問の肩書だけあるような者であっても、上記のような事実があれば、法人税法上は役員とみなされてしまう可能性があるということです。
役員報酬の支給ルールについてこれからお話ししていきますが、会社法上の役員だけでなく、法人税法上の役員に対しても適用されるとご認識ください。
損金算入される役員報酬の要件とは
法人税法上、損金算入される役員報酬に関しては、支給時期やその他の要件が厳しく定められています。なぜなら、役員自身がお手盛りで役員報酬を決められるとしたら、法人の利益が多く出そうな時に役員報酬を多く出して利益圧縮するなど、恣意的な調整が可能になるからです。
役員報酬の支給ルールについてこれからお話ししていきますが、会社法上の役員だけでなく、法人税法上の役員に対しても適用されるとご認識ください。
損金算入される役員報酬の要件とは
法人税法上、損金算入される役員報酬に関しては、支給時期やその他の要件が厳しく定められています。なぜなら、役員自身がお手盛りで役員報酬を決められるとしたら、法人の利益が多く出そうな時に役員報酬を多く出して利益圧縮するなど、恣意的な調整が可能になるからです。
なお、仮に税務調査で支払った役員報酬の損金が否認された場合(損金不算入とされた場合)には、社外流出項目といって当該否認金額を将来損金にできるチャンスはありません。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
不調のシグナルに気付いて早めのケアを心がけよう!
社員の休職・離職を防ぐための「メンタルヘルス対策」教えます
社会保険労務士法人キラリス代表
特定社会保険労務士 糟谷芳孝
特定社会保険労務士 糟谷芳孝
遅刻や欠勤が増えた、仕事のミスが目立つようになった、表情が暗くなった、周囲との会話が減った。こうした変化は、単なる一時的な疲れではなく、メンタルヘルス不調のサインであることがあります。
厚生労働省の資料(次ページ図表)によると、精神障害に関する労災の支給決定件数は、令和5年度に883件、令和6年度には1056件となりました。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災として認められるケースは増加傾向にあります。
また、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化され、令和10年4月1日から施行される予定です。
厚生労働省の資料(次ページ図表)によると、精神障害に関する労災の支給決定件数は、令和5年度に883件、令和6年度には1056件となりました。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災として認められるケースは増加傾向にあります。
また、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化され、令和10年4月1日から施行される予定です。
ストレスチェックは、労働者が自分のストレスの状態に気付き、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための簡単なストレス検査です。
メンタルヘルス不調の増加を背景に、労働者数50人以上の事業場では、平成27年から既に義務化されています。
メンタルヘルス対策というと、大企業や専門部署のある会社の話と思われるかもしれません。しかし、実際には中小企業ほど、一人の休職や離職が職場全体に与える影響は大きくなります。中小企業がメンタルヘルス不調による社員の休職・離職を防ぐために、会社としてどのような点に注意し、どのような対策を実行すべきか。ここからは、事例を交えながら解説していくことにしましょう。
メンタルヘルス不調の原因で多いのはハラスメント
最初の事例は、体調不良から社員が自殺してしまったケースです。
メンタルヘルス対策というと、大企業や専門部署のある会社の話と思われるかもしれません。しかし、実際には中小企業ほど、一人の休職や離職が職場全体に与える影響は大きくなります。中小企業がメンタルヘルス不調による社員の休職・離職を防ぐために、会社としてどのような点に注意し、どのような対策を実行すべきか。ここからは、事例を交えながら解説していくことにしましょう。
メンタルヘルス不調の原因で多いのはハラスメント
最初の事例は、体調不良から社員が自殺してしまったケースです。
総務課に異動したAは、業務処理の遅れやミスが目立ち、上司であるBから日常的に強い口調で注意を受けていました。異動から1年後、Aのミスと上司Bの叱責はさらにエスカレートし、Aは呼び捨てにされるようになりました。Aは激しい体重減少(15キロ減)に加え、周囲に「死にたい」と漏らすなど深刻な体調不良に陥っていました。
その事実は上司Bや他の係長ら上司にも伝わっていましたが、担当業務を一時的に軽減する以外に適切な対応(配置転換など)は取られず、異動から約2年後にAは自殺してしまいました。遺族は会社に対し、損害賠償を求めて提訴しました。
(詳しくは本誌をご覧ください)
前々月号の記事
経理ウーマン7月号/
特別企画/直近の経営課題を把握して迅速に手を打とう!
儲けにつながる「月次決算」のつくり方&活用術
税理士 脇田弥輝
月次決算は社内の共通言語だ
企業を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化しています。原材料価格の高騰、人件費の上昇、為替変動、採用難、そして市場ニーズの急激な変化など、経営者が判断しなければならないことは増え続けています。こうした時代において、経営判断のスピードと精度は、会社の収益力に大きく関わります。その判断材料となるのが、月次決算です。
しかし現実には、「月次決算は作っているけれど、あまり見られていない」「完成が遅く、経営判断に間に合っていない」「試算表を渡して終わりになっている」という会社も少なくありません。せっかく手間をかけて作っているのに、経営に活かされていないのであれば、とてももったいないことです。
月次決算は、経理担当者だけのためのものではありません。経営者、営業、現場、管理部門が同じ数字を見ながら、次の一手を考えるための共通言語です。だからこそ、単に「早く締める」だけでなく、「見て分かる」「話し合える」「行動に移せる」形にしていくことが大切です。
先に結論を言えば、儲かる会社の月次決算は、「過去の記録」ではなく「意思決定ツール」として使われています。できれば翌月5営業日以内に数字を出し、前月・前年・予算と比較しながら、売上、粗利、利益などの重要な指標に絞って確認します。そして、違和感のある数字を見つけたら原因を考え、毎月ひとつでも改善アクションを決めていきます。
「早く出す、比較する、ひとつ改善する」このサイクルを回すことで、月次決算は単なる経理資料ではなく、儲けにつながる武器になります。
以下では、月次決算の基本から、遅れる原因、スピードアップの方法、経営への活かし方まで、実務に沿って見ていきます。
しかし現実には、「月次決算は作っているけれど、あまり見られていない」「完成が遅く、経営判断に間に合っていない」「試算表を渡して終わりになっている」という会社も少なくありません。せっかく手間をかけて作っているのに、経営に活かされていないのであれば、とてももったいないことです。
月次決算は、経理担当者だけのためのものではありません。経営者、営業、現場、管理部門が同じ数字を見ながら、次の一手を考えるための共通言語です。だからこそ、単に「早く締める」だけでなく、「見て分かる」「話し合える」「行動に移せる」形にしていくことが大切です。
先に結論を言えば、儲かる会社の月次決算は、「過去の記録」ではなく「意思決定ツール」として使われています。できれば翌月5営業日以内に数字を出し、前月・前年・予算と比較しながら、売上、粗利、利益などの重要な指標に絞って確認します。そして、違和感のある数字を見つけたら原因を考え、毎月ひとつでも改善アクションを決めていきます。
「早く出す、比較する、ひとつ改善する」このサイクルを回すことで、月次決算は単なる経理資料ではなく、儲けにつながる武器になります。
以下では、月次決算の基本から、遅れる原因、スピードアップの方法、経営への活かし方まで、実務に沿って見ていきます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン7月号/
返済不要のお上のお金 申請しないと損をする!?
「賃上げ支援の助成金」─支給内容と上手な使い方教えます
社会保険労務士法人 助成金パートナーズ
代表 特定社会保険労務士 田中浩
代表 特定社会保険労務士 田中浩
2026年、私たちを取り巻く経済環境は、かつてない変化の中にあります。人手不足の深刻化、物価高騰、そして社会全体で進む「賃上げ」の波。経営者からは「人件費が上がって苦しいが、給料を上げないと人が辞めてしまう」という切実な悩みを聞くことも多くなりました。
こうした状況下で「助成金」に対する理解を深めることの意義は大きいと言えます。助成金は、会社が「従業員のために投資した取組み」を国が評価し、資金を支給してくれる制度です。「手続きが難しそう」「うちは対象外だろう」と決めつけてしまうのは、あまりにもったいない話です。
本稿では、専門用語をできるだけ使わず、実務の視点に立って、助成金の基本と今注目すべき「賃上げ支援助成金」の活用術についてわかりやすく解説していきます。
そもそも「助成金」とはどういうものか?
助成金は、主に厚生労働省が管轄している制度です。その財源の多くは、会社が毎年支払っている「労働保険料(雇用保険料と労災保険料)」の一部が充てられています。つまり、助成金を受け取ることは、会社が納付してきた保険料を自社の課題解決のために「還元」してもらうことと言い換えることもできます。
助成金には、銀行の融資や他の給付金とは異なる以下の3つの特徴があります。
こうした状況下で「助成金」に対する理解を深めることの意義は大きいと言えます。助成金は、会社が「従業員のために投資した取組み」を国が評価し、資金を支給してくれる制度です。「手続きが難しそう」「うちは対象外だろう」と決めつけてしまうのは、あまりにもったいない話です。
本稿では、専門用語をできるだけ使わず、実務の視点に立って、助成金の基本と今注目すべき「賃上げ支援助成金」の活用術についてわかりやすく解説していきます。
そもそも「助成金」とはどういうものか?
助成金は、主に厚生労働省が管轄している制度です。その財源の多くは、会社が毎年支払っている「労働保険料(雇用保険料と労災保険料)」の一部が充てられています。つまり、助成金を受け取ることは、会社が納付してきた保険料を自社の課題解決のために「還元」してもらうことと言い換えることもできます。
助成金には、銀行の融資や他の給付金とは異なる以下の3つの特徴があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン7月号/
負担金の取扱いから賞与・退職金を支給したときの注意点まで
「出向・転籍者」の税務が理解できる7Q7A
税理士/ MBA 小野賢治
我々は「出向」「転籍」という言葉を普段その違いをほとんど意識なく使っています。しかし、このふたつは法律上・税務上の性格が大きく異なります。その違いをしっかりと区別して理解しておかなければ、税務調査での指摘事項や労働法上のトラブルに発展しかねません。
本稿では、経理総務担当者が押さえておくべき「出向」と「転籍」の違いから、給与・賞与・退職金、さらには役員特有の論点まで、Q&A形式でレクチャーしていきます。
Q1 そもそも「出向」と「転籍」はどう違うのですか?
端的に言うと、「出向(在籍専属出向)」と「転籍(移籍出向)」の最大の違いは、「元の会社との雇用関係が継続しているか、終了しているか」にあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
まず「出向(在籍出向)」ですが、出向元企業との雇用関係を維持したまま、出向先企業の指揮命令下で業務に従事する形態を指します。従業員は、出向元と出向先の両方と雇用関係を持つ(二重の雇用関係)ことになります。
つまり「出向」は、出向元との雇用関係を維持しつつ、出向先に対して労務を提供する形態だと言えます。この場合、出向元の就業規則や人事制度が基本的に適用され、昇給や福利厚生なども出向元に準じて取り扱われることが多くなります。
本稿では、経理総務担当者が押さえておくべき「出向」と「転籍」の違いから、給与・賞与・退職金、さらには役員特有の論点まで、Q&A形式でレクチャーしていきます。
Q1 そもそも「出向」と「転籍」はどう違うのですか?
端的に言うと、「出向(在籍専属出向)」と「転籍(移籍出向)」の最大の違いは、「元の会社との雇用関係が継続しているか、終了しているか」にあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
まず「出向(在籍出向)」ですが、出向元企業との雇用関係を維持したまま、出向先企業の指揮命令下で業務に従事する形態を指します。従業員は、出向元と出向先の両方と雇用関係を持つ(二重の雇用関係)ことになります。
つまり「出向」は、出向元との雇用関係を維持しつつ、出向先に対して労務を提供する形態だと言えます。この場合、出向元の就業規則や人事制度が基本的に適用され、昇給や福利厚生なども出向元に準じて取り扱われることが多くなります。
一方、賃金や日々の業務指揮命令は出向先が担うなど、実際の勤務実態は出向先に移ることが一般的です。
「出向(在籍出向)」の一般的な内容は以下のようになります。
「出向(在籍出向)」の一般的な内容は以下のようになります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
「月刊経理ウーマン」
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)




















