
最新号ではこんな内容が掲載されています。
■2026年8月号(7/20発行)
特別企画/トラブルを回避して従業員との信頼関係につなげる!
特別企画/トラブルを回避して従業員との信頼関係につなげる!
小さな会社の「就業規則」―これだけは押さえておこう!!
●もう一度おさらいしておきたい「印紙税」の知識Q&A
●ありがちなケースにズバリ答えます! 「役員報酬の実務」7問7答
●社員の休職・離職を防ぐための「メンタルヘルス対策」教えます
●インフレ時代の「個人資産」運用マニュアル
●「ビール好き」のあなたに使ってほしいオススメITEM厳選8
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(近藤芳正さん)
●ありがちなケースにズバリ答えます! 「役員報酬の実務」7問7答
●社員の休職・離職を防ぐための「メンタルヘルス対策」教えます
●インフレ時代の「個人資産」運用マニュアル
●「ビール好き」のあなたに使ってほしいオススメITEM厳選8
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(近藤芳正さん)
今月号の記事
経理ウーマン8月号/
特別企画/トラブルを回避して従業員との信頼関係につなげる!
小さな会社の「就業規則」―これだけは押さえておこう!!
コントリビュート社会保険労務士法人代表
特定社会保険労務士 志戸岡 豊
特定社会保険労務士 志戸岡 豊
就業規則は「職場のルールブック」だ
はじめに、就業規則の基本の「キ」として、作成する意義と法令上の作成義務基準について確認しておきましょう。
就業規則とは、ひと言で言えば、「職場のルールブック」です。もう少し詳しくいえば、社員がその職場で働くうえでの守るべきルールや働いた場合にもらえる給料や受けられる保障、福利厚生といった待遇を定めた文書ということになります。そのため、就業規則がない会社は、ルールが明文化されていない状態と言えます。
就業規則以外の書類、例えば個別の雇用契約書に給料に関する事項が書かれていたとしても、雇用契約書に記載された以外のことについては社長の頭の中にある状態になります。
就業時間や休日、給料(お金)をはじめとした働くうえでの重要な労働条件がころころと変わっては働く社員にとっては不安定で生活保障がありませんし、そもそも、会社側がいったん決めた給料や休日といった労働条件を勝手に悪く改定することはできません。
社長が1人で会社を創業し、その後初めて社員を雇用するようになった時点では、初めてのことだらけで、社員に対するルールが定まっていません。その後、1人また1人と雇用する社員が増えていく中で、自社の雇用条件や給与の統一的なルールを検討することが多いと言えます。そのため、法令(労働基準法)においても、就業規則は、社員が1人や2人の会社には作成が義務付けられてはおらず、労働基準法により「常時10人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇用する事業場」に作成・届出が義務付けられています。
筆者は社会保険労務士として多くの企業の就業規則の作成・整備に携わってきましたが、この常時10人以上というのは非常に良い塩梅の基準です。本音を言えば社員数が1人だったとしても、就業規則を整備する意味はあります。しかし、実際の雇用の現場は1人目に例えばパートさんを雇用し、2人目に正社員を雇用しようとなった場合、自社の待遇や労働条件について考えてみたところで、社員全員に適用する統一的なルールをどのような内容にするのがいいのかは経営者にとっても、まだわからない状態です。
はじめに、就業規則の基本の「キ」として、作成する意義と法令上の作成義務基準について確認しておきましょう。
就業規則とは、ひと言で言えば、「職場のルールブック」です。もう少し詳しくいえば、社員がその職場で働くうえでの守るべきルールや働いた場合にもらえる給料や受けられる保障、福利厚生といった待遇を定めた文書ということになります。そのため、就業規則がない会社は、ルールが明文化されていない状態と言えます。
就業規則以外の書類、例えば個別の雇用契約書に給料に関する事項が書かれていたとしても、雇用契約書に記載された以外のことについては社長の頭の中にある状態になります。
就業時間や休日、給料(お金)をはじめとした働くうえでの重要な労働条件がころころと変わっては働く社員にとっては不安定で生活保障がありませんし、そもそも、会社側がいったん決めた給料や休日といった労働条件を勝手に悪く改定することはできません。
社長が1人で会社を創業し、その後初めて社員を雇用するようになった時点では、初めてのことだらけで、社員に対するルールが定まっていません。その後、1人また1人と雇用する社員が増えていく中で、自社の雇用条件や給与の統一的なルールを検討することが多いと言えます。そのため、法令(労働基準法)においても、就業規則は、社員が1人や2人の会社には作成が義務付けられてはおらず、労働基準法により「常時10人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇用する事業場」に作成・届出が義務付けられています。
筆者は社会保険労務士として多くの企業の就業規則の作成・整備に携わってきましたが、この常時10人以上というのは非常に良い塩梅の基準です。本音を言えば社員数が1人だったとしても、就業規則を整備する意味はあります。しかし、実際の雇用の現場は1人目に例えばパートさんを雇用し、2人目に正社員を雇用しようとなった場合、自社の待遇や労働条件について考えてみたところで、社員全員に適用する統一的なルールをどのような内容にするのがいいのかは経営者にとっても、まだわからない状態です。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
ありがちなケースにズバリ答えます!
「役員報酬の実務」7問7答
公認会計士・税理士 大西康記
まず基本的な事項ですが、最初に役員の範囲について確認しておきましょう。
法人の役員といえば、皆さんもすぐに取締役・監査役などを思い浮かべるでしょう。これらは会社法で定められている役員であり、法人の登記事項となります。その他にも会社法上の登記される役員として、執行役、会計参与、理事、監事、清算人などが該当します。
これに対して法人税法上の役員とは、会社法上の役員をもちろん含みますが、さらに範囲が広くなっています(図表1参照)。会社法上の役員の他に、次の者も役員に含まれると考えてください。
① 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件(注)を満たす者で、その法人の経営に従事している者
(注)株式などの所有条件が決められていますが、ここでは詳細は省略します。
①②とも、「法人の経営に従事している者」となっていますが、ここがなかなか判断が難しいところです。事業運営上の重要事項(事業計画や人事など)について、法人の意思決定に参画しているような場合が該当します。
法人の役員といえば、皆さんもすぐに取締役・監査役などを思い浮かべるでしょう。これらは会社法で定められている役員であり、法人の登記事項となります。その他にも会社法上の登記される役員として、執行役、会計参与、理事、監事、清算人などが該当します。
これに対して法人税法上の役員とは、会社法上の役員をもちろん含みますが、さらに範囲が広くなっています(図表1参照)。会社法上の役員の他に、次の者も役員に含まれると考えてください。
① 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件(注)を満たす者で、その法人の経営に従事している者
(注)株式などの所有条件が決められていますが、ここでは詳細は省略します。
①②とも、「法人の経営に従事している者」となっていますが、ここがなかなか判断が難しいところです。事業運営上の重要事項(事業計画や人事など)について、法人の意思決定に参画しているような場合が該当します。
登記はされておらず、相談役や顧問の肩書だけあるような者であっても、上記のような事実があれば、法人税法上は役員とみなされてしまう可能性があるということです。
役員報酬の支給ルールについてこれからお話ししていきますが、会社法上の役員だけでなく、法人税法上の役員に対しても適用されるとご認識ください。
損金算入される役員報酬の要件とは
法人税法上、損金算入される役員報酬に関しては、支給時期やその他の要件が厳しく定められています。なぜなら、役員自身がお手盛りで役員報酬を決められるとしたら、法人の利益が多く出そうな時に役員報酬を多く出して利益圧縮するなど、恣意的な調整が可能になるからです。
役員報酬の支給ルールについてこれからお話ししていきますが、会社法上の役員だけでなく、法人税法上の役員に対しても適用されるとご認識ください。
損金算入される役員報酬の要件とは
法人税法上、損金算入される役員報酬に関しては、支給時期やその他の要件が厳しく定められています。なぜなら、役員自身がお手盛りで役員報酬を決められるとしたら、法人の利益が多く出そうな時に役員報酬を多く出して利益圧縮するなど、恣意的な調整が可能になるからです。
なお、仮に税務調査で支払った役員報酬の損金が否認された場合(損金不算入とされた場合)には、社外流出項目といって当該否認金額を将来損金にできるチャンスはありません。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
不調のシグナルに気付いて早めのケアを心がけよう!
社員の休職・離職を防ぐための「メンタルヘルス対策」教えます
社会保険労務士法人キラリス代表
特定社会保険労務士 糟谷芳孝
特定社会保険労務士 糟谷芳孝
遅刻や欠勤が増えた、仕事のミスが目立つようになった、表情が暗くなった、周囲との会話が減った。こうした変化は、単なる一時的な疲れではなく、メンタルヘルス不調のサインであることがあります。
厚生労働省の資料(次ページ図表)によると、精神障害に関する労災の支給決定件数は、令和5年度に883件、令和6年度には1056件となりました。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災として認められるケースは増加傾向にあります。
また、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化され、令和10年4月1日から施行される予定です。
厚生労働省の資料(次ページ図表)によると、精神障害に関する労災の支給決定件数は、令和5年度に883件、令和6年度には1056件となりました。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災として認められるケースは増加傾向にあります。
また、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化され、令和10年4月1日から施行される予定です。
ストレスチェックは、労働者が自分のストレスの状態に気付き、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための簡単なストレス検査です。
メンタルヘルス不調の増加を背景に、労働者数50人以上の事業場では、平成27年から既に義務化されています。
メンタルヘルス対策というと、大企業や専門部署のある会社の話と思われるかもしれません。しかし、実際には中小企業ほど、一人の休職や離職が職場全体に与える影響は大きくなります。中小企業がメンタルヘルス不調による社員の休職・離職を防ぐために、会社としてどのような点に注意し、どのような対策を実行すべきか。ここからは、事例を交えながら解説していくことにしましょう。
メンタルヘルス不調の原因で多いのはハラスメント
最初の事例は、体調不良から社員が自殺してしまったケースです。
メンタルヘルス対策というと、大企業や専門部署のある会社の話と思われるかもしれません。しかし、実際には中小企業ほど、一人の休職や離職が職場全体に与える影響は大きくなります。中小企業がメンタルヘルス不調による社員の休職・離職を防ぐために、会社としてどのような点に注意し、どのような対策を実行すべきか。ここからは、事例を交えながら解説していくことにしましょう。
メンタルヘルス不調の原因で多いのはハラスメント
最初の事例は、体調不良から社員が自殺してしまったケースです。
総務課に異動したAは、業務処理の遅れやミスが目立ち、上司であるBから日常的に強い口調で注意を受けていました。異動から1年後、Aのミスと上司Bの叱責はさらにエスカレートし、Aは呼び捨てにされるようになりました。Aは激しい体重減少(15キロ減)に加え、周囲に「死にたい」と漏らすなど深刻な体調不良に陥っていました。
その事実は上司Bや他の係長ら上司にも伝わっていましたが、担当業務を一時的に軽減する以外に適切な対応(配置転換など)は取られず、異動から約2年後にAは自殺してしまいました。遺族は会社に対し、損害賠償を求めて提訴しました。
(詳しくは本誌をご覧ください)
前月号の記事
経理ウーマン7月号/
特別企画/直近の経営課題を把握して迅速に手を打とう!
儲けにつながる「月次決算」のつくり方&活用術
税理士 脇田弥輝
月次決算は社内の共通言語だ
企業を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化しています。原材料価格の高騰、人件費の上昇、為替変動、採用難、そして市場ニーズの急激な変化など、経営者が判断しなければならないことは増え続けています。こうした時代において、経営判断のスピードと精度は、会社の収益力に大きく関わります。その判断材料となるのが、月次決算です。
しかし現実には、「月次決算は作っているけれど、あまり見られていない」「完成が遅く、経営判断に間に合っていない」「試算表を渡して終わりになっている」という会社も少なくありません。せっかく手間をかけて作っているのに、経営に活かされていないのであれば、とてももったいないことです。
月次決算は、経理担当者だけのためのものではありません。経営者、営業、現場、管理部門が同じ数字を見ながら、次の一手を考えるための共通言語です。だからこそ、単に「早く締める」だけでなく、「見て分かる」「話し合える」「行動に移せる」形にしていくことが大切です。
先に結論を言えば、儲かる会社の月次決算は、「過去の記録」ではなく「意思決定ツール」として使われています。できれば翌月5営業日以内に数字を出し、前月・前年・予算と比較しながら、売上、粗利、利益などの重要な指標に絞って確認します。そして、違和感のある数字を見つけたら原因を考え、毎月ひとつでも改善アクションを決めていきます。
「早く出す、比較する、ひとつ改善する」このサイクルを回すことで、月次決算は単なる経理資料ではなく、儲けにつながる武器になります。
以下では、月次決算の基本から、遅れる原因、スピードアップの方法、経営への活かし方まで、実務に沿って見ていきます。
しかし現実には、「月次決算は作っているけれど、あまり見られていない」「完成が遅く、経営判断に間に合っていない」「試算表を渡して終わりになっている」という会社も少なくありません。せっかく手間をかけて作っているのに、経営に活かされていないのであれば、とてももったいないことです。
月次決算は、経理担当者だけのためのものではありません。経営者、営業、現場、管理部門が同じ数字を見ながら、次の一手を考えるための共通言語です。だからこそ、単に「早く締める」だけでなく、「見て分かる」「話し合える」「行動に移せる」形にしていくことが大切です。
先に結論を言えば、儲かる会社の月次決算は、「過去の記録」ではなく「意思決定ツール」として使われています。できれば翌月5営業日以内に数字を出し、前月・前年・予算と比較しながら、売上、粗利、利益などの重要な指標に絞って確認します。そして、違和感のある数字を見つけたら原因を考え、毎月ひとつでも改善アクションを決めていきます。
「早く出す、比較する、ひとつ改善する」このサイクルを回すことで、月次決算は単なる経理資料ではなく、儲けにつながる武器になります。
以下では、月次決算の基本から、遅れる原因、スピードアップの方法、経営への活かし方まで、実務に沿って見ていきます。
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経理ウーマン7月号/
返済不要のお上のお金 申請しないと損をする!?
「賃上げ支援の助成金」─支給内容と上手な使い方教えます
社会保険労務士法人 助成金パートナーズ
代表 特定社会保険労務士 田中浩
代表 特定社会保険労務士 田中浩
2026年、私たちを取り巻く経済環境は、かつてない変化の中にあります。人手不足の深刻化、物価高騰、そして社会全体で進む「賃上げ」の波。経営者からは「人件費が上がって苦しいが、給料を上げないと人が辞めてしまう」という切実な悩みを聞くことも多くなりました。
こうした状況下で「助成金」に対する理解を深めることの意義は大きいと言えます。助成金は、会社が「従業員のために投資した取組み」を国が評価し、資金を支給してくれる制度です。「手続きが難しそう」「うちは対象外だろう」と決めつけてしまうのは、あまりにもったいない話です。
本稿では、専門用語をできるだけ使わず、実務の視点に立って、助成金の基本と今注目すべき「賃上げ支援助成金」の活用術についてわかりやすく解説していきます。
そもそも「助成金」とはどういうものか?
助成金は、主に厚生労働省が管轄している制度です。その財源の多くは、会社が毎年支払っている「労働保険料(雇用保険料と労災保険料)」の一部が充てられています。つまり、助成金を受け取ることは、会社が納付してきた保険料を自社の課題解決のために「還元」してもらうことと言い換えることもできます。
助成金には、銀行の融資や他の給付金とは異なる以下の3つの特徴があります。
こうした状況下で「助成金」に対する理解を深めることの意義は大きいと言えます。助成金は、会社が「従業員のために投資した取組み」を国が評価し、資金を支給してくれる制度です。「手続きが難しそう」「うちは対象外だろう」と決めつけてしまうのは、あまりにもったいない話です。
本稿では、専門用語をできるだけ使わず、実務の視点に立って、助成金の基本と今注目すべき「賃上げ支援助成金」の活用術についてわかりやすく解説していきます。
そもそも「助成金」とはどういうものか?
助成金は、主に厚生労働省が管轄している制度です。その財源の多くは、会社が毎年支払っている「労働保険料(雇用保険料と労災保険料)」の一部が充てられています。つまり、助成金を受け取ることは、会社が納付してきた保険料を自社の課題解決のために「還元」してもらうことと言い換えることもできます。
助成金には、銀行の融資や他の給付金とは異なる以下の3つの特徴があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン7月号/
負担金の取扱いから賞与・退職金を支給したときの注意点まで
「出向・転籍者」の税務が理解できる7Q7A
税理士/ MBA 小野賢治
我々は「出向」「転籍」という言葉を普段その違いをほとんど意識なく使っています。しかし、このふたつは法律上・税務上の性格が大きく異なります。その違いをしっかりと区別して理解しておかなければ、税務調査での指摘事項や労働法上のトラブルに発展しかねません。
本稿では、経理総務担当者が押さえておくべき「出向」と「転籍」の違いから、給与・賞与・退職金、さらには役員特有の論点まで、Q&A形式でレクチャーしていきます。
Q1 そもそも「出向」と「転籍」はどう違うのですか?
端的に言うと、「出向(在籍専属出向)」と「転籍(移籍出向)」の最大の違いは、「元の会社との雇用関係が継続しているか、終了しているか」にあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
まず「出向(在籍出向)」ですが、出向元企業との雇用関係を維持したまま、出向先企業の指揮命令下で業務に従事する形態を指します。従業員は、出向元と出向先の両方と雇用関係を持つ(二重の雇用関係)ことになります。
つまり「出向」は、出向元との雇用関係を維持しつつ、出向先に対して労務を提供する形態だと言えます。この場合、出向元の就業規則や人事制度が基本的に適用され、昇給や福利厚生なども出向元に準じて取り扱われることが多くなります。
本稿では、経理総務担当者が押さえておくべき「出向」と「転籍」の違いから、給与・賞与・退職金、さらには役員特有の論点まで、Q&A形式でレクチャーしていきます。
Q1 そもそも「出向」と「転籍」はどう違うのですか?
端的に言うと、「出向(在籍専属出向)」と「転籍(移籍出向)」の最大の違いは、「元の会社との雇用関係が継続しているか、終了しているか」にあります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
まず「出向(在籍出向)」ですが、出向元企業との雇用関係を維持したまま、出向先企業の指揮命令下で業務に従事する形態を指します。従業員は、出向元と出向先の両方と雇用関係を持つ(二重の雇用関係)ことになります。
つまり「出向」は、出向元との雇用関係を維持しつつ、出向先に対して労務を提供する形態だと言えます。この場合、出向元の就業規則や人事制度が基本的に適用され、昇給や福利厚生なども出向元に準じて取り扱われることが多くなります。
一方、賃金や日々の業務指揮命令は出向先が担うなど、実際の勤務実態は出向先に移ることが一般的です。
「出向(在籍出向)」の一般的な内容は以下のようになります。
「出向(在籍出向)」の一般的な内容は以下のようになります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
前々月号の記事
経理ウーマン6月号/
特別企画/小さなボヤでも対応を間違えると大火事になりかねない!!
会社を危うくする「労務トラブル」回避マニュアル
弁護士(使用者側労務専門) 向井 蘭
トラブル多発の背景にある四つの要因とは
近年、中小企業の経営者や人事労務担当者から「従業員との間でトラブルが増えた」という声を多く耳にするようになりました。実際に、個別労働紛争解決制度の相談件数は高水準で推移しており、特に解雇・雇い止め、パワーハラスメント、退職に関するトラブルが目立っています。なぜ、このような状況になっているのでしょうか。
背景にある要因を整理すると、大きく四つに分けることができます。
第一に、従業員の権利意識の高まりが挙げられます。 インターネットやSNSの普及により、労働者が自分の権利に関する情報を簡単に入手できるようになりました。「不当解雇は無効」「残業代は必ず支払わなければならない」「ハラスメントは法律で禁止されている」といった知識を持つ従業員が増え、自分が不当な扱いを受けたと感じると、会社に対して毅然と主張するようになっています。
ひと昔前であれば「我慢するしかない」と泣き寝入りしていた問題が、今では声を上げることが当たり前になっているのです。
また、YoutubeやSNSには「労働問題専門の弁護士・社会保険労務士」が情報発信するチャンネルが多数存在し、「こんな場合は会社に請求できる」「こういうことをされたらハラスメントに当たる」といった情報が手軽に入手できます。以前は弁護士に相談するためのハードルが高く、費用や心理的な壁があって泣き寝入りしていた従業員も、こうした情報を得ることで、積極的に権利を主張するようになっています。
「うちの会社は大丈夫」という油断は禁物!
第二に、深刻な人手不足の問題があります。 労働力不足が続く中、会社が従業員を解雇したり不当な扱いをしたりすると、残った従業員のモチベーション低下や離職につながるリスクがあります。また、インターネットの口コミサイトや転職サイトに「ブラック企業」として書き込まれると、採用活動にも大きな支障をきたします。
特に中小企業にとって、優秀な人材を一人失うダメージは大きく、労務トラブルが人材確保の面でも深刻な問題となっています。人材の流動性が高まった現代では、従業員は「嫌なら辞めればいい」という選択肢を持っており、以前に比べて会社側の立場が弱くなっているとも言えます。
近年、中小企業の経営者や人事労務担当者から「従業員との間でトラブルが増えた」という声を多く耳にするようになりました。実際に、個別労働紛争解決制度の相談件数は高水準で推移しており、特に解雇・雇い止め、パワーハラスメント、退職に関するトラブルが目立っています。なぜ、このような状況になっているのでしょうか。
背景にある要因を整理すると、大きく四つに分けることができます。
第一に、従業員の権利意識の高まりが挙げられます。 インターネットやSNSの普及により、労働者が自分の権利に関する情報を簡単に入手できるようになりました。「不当解雇は無効」「残業代は必ず支払わなければならない」「ハラスメントは法律で禁止されている」といった知識を持つ従業員が増え、自分が不当な扱いを受けたと感じると、会社に対して毅然と主張するようになっています。
ひと昔前であれば「我慢するしかない」と泣き寝入りしていた問題が、今では声を上げることが当たり前になっているのです。
また、YoutubeやSNSには「労働問題専門の弁護士・社会保険労務士」が情報発信するチャンネルが多数存在し、「こんな場合は会社に請求できる」「こういうことをされたらハラスメントに当たる」といった情報が手軽に入手できます。以前は弁護士に相談するためのハードルが高く、費用や心理的な壁があって泣き寝入りしていた従業員も、こうした情報を得ることで、積極的に権利を主張するようになっています。
「うちの会社は大丈夫」という油断は禁物!
第二に、深刻な人手不足の問題があります。 労働力不足が続く中、会社が従業員を解雇したり不当な扱いをしたりすると、残った従業員のモチベーション低下や離職につながるリスクがあります。また、インターネットの口コミサイトや転職サイトに「ブラック企業」として書き込まれると、採用活動にも大きな支障をきたします。
特に中小企業にとって、優秀な人材を一人失うダメージは大きく、労務トラブルが人材確保の面でも深刻な問題となっています。人材の流動性が高まった現代では、従業員は「嫌なら辞めればいい」という選択肢を持っており、以前に比べて会社側の立場が弱くなっているとも言えます。
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経理ウーマン6月号/
免税事業者からの仕入控除割合の引下げ 「2割特例」は法人は廃止に
令和8年度税制改正で
インボイス制度の「経過措置」はこう変わる!
公認会計士・税理士 工藤聡生
税理士 成島靖志
「経営とは、突き詰めれば資金繰りである」─これは多くの経営者が実感する真理であり、それを見守る経理担当者の皆さんにとっても共通の認識ではないでしょうか。とくに消費税という税金は、経営において最も「資金繰り管理」を狂わせる難敵です。お客様から預かったはずの税金が、申告時期になると一気に多額のキャッシュアウトとなって会社を圧迫するからです。
この「預かり金」をいかに手元に残し、納税の瞬間を平準化できるかが、経理担当者の腕の見せ所と言っても過言ではありません。
令和5年10月に導入されたインボイス制度から間もなく3年。ようやく実務がルーチン化してきた担当者の方も多いなか、令和8年度(2026年度)に税制改正というルール変更が行なわれます。これにより制度導入時の混乱を和らげてくれていた「激変緩和措置」がいよいよ終了・縮小し、実務と資金繰りに影響が生じてきます。
具体的には、以下の2点が改正になります。
◎法人の「2割特例」の終了(納税額の増加リスク)
◎免税事業者からの仕入れに係る「80%控除」の引下げ
「せっかく慣れたのに、またルール変更?」と感じるかもしれません。しかし、そもそもこの制度は、社会保障の充実と強化の財源を確保するという重い目的のために誕生したものです。私たちは、この制度の目的を理解した上で、複雑なルールを「単なる記帳作業」としてではなく、「戦略的な資金繰り対策」として捉え直す必要があります。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン6月号/
早ければ2027年春にスタートする可能性も!?
「食料品の消費税ゼロ」─具体的な内容と今後の見通しを探る!
氷室 研
給付付き税額控除導入までの「つなぎ策」?
ご存じのように今年2月8日に投開票が行なわれた衆院選で、高市早苗首相(総裁)率いる自民党が圧勝しました。その自民が公約として掲げたのが「2年間に限定した食料品の消費税ゼロ」です。実現するとみられるのは、早ければ2027年春。物価の高騰が続く中、毎日買わなければならない食料品の消費税率が大きく下がれば、私たちの暮らしはとても助かり、日本経済にも追い風となるでしょう。
しかし一方で、数兆円規模の財源をどう得るかといった財政全体についての問題や、インボイス(適格請求書)の実務の複雑化といった経理担当者の負担増も予想されます。では「2年間の食料品の消費税ゼロ」は日本経済や企業にどんな影響を与えるのでしょうか。
「軽減税率が適用されている飲食料品については、特例公債(赤字国債)に頼ることなく、2年間に限り、消費税をゼロ税率とすることにつき、スケジュールや財源のあり方など、その実現に向けた諸課題に関する検討を加速します」
衆院選で自民党が大勝した直後の2月18日、高市首相は首相官邸で開いた記者会見でこう述べ、食料品の「消費税率ゼロ」に意欲を示しました。そして、「野党からの協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行ない、税制改正関連法案の提出を目指します」とも話しました。
その言葉どおり、政府は与野党を超えて消費税率ゼロを話し合う「社会保障国民会議」を立ち上げ、課題の洗い出しや制度づくりなどの話し合いを始めました。夏までに結論を取りまとめる予定です。
3月18日に開かれた国民会議の会合では、参加した小売業界の関係者から、税率ゼロの準備には、システム改修などで、法改正から「最低でも1年」かかるとの見方が出ました。同25日の会合では、経団連や連合の関係者から、代わりの財源をまずはっきりとさせることの大切さや、外食産業への影響に留意する必要性、実務の現場の混乱といった課題が示されました。
ご存じのように今年2月8日に投開票が行なわれた衆院選で、高市早苗首相(総裁)率いる自民党が圧勝しました。その自民が公約として掲げたのが「2年間に限定した食料品の消費税ゼロ」です。実現するとみられるのは、早ければ2027年春。物価の高騰が続く中、毎日買わなければならない食料品の消費税率が大きく下がれば、私たちの暮らしはとても助かり、日本経済にも追い風となるでしょう。
しかし一方で、数兆円規模の財源をどう得るかといった財政全体についての問題や、インボイス(適格請求書)の実務の複雑化といった経理担当者の負担増も予想されます。では「2年間の食料品の消費税ゼロ」は日本経済や企業にどんな影響を与えるのでしょうか。
「軽減税率が適用されている飲食料品については、特例公債(赤字国債)に頼ることなく、2年間に限り、消費税をゼロ税率とすることにつき、スケジュールや財源のあり方など、その実現に向けた諸課題に関する検討を加速します」
衆院選で自民党が大勝した直後の2月18日、高市首相は首相官邸で開いた記者会見でこう述べ、食料品の「消費税率ゼロ」に意欲を示しました。そして、「野党からの協力が得られれば、夏前には中間取りまとめを行ない、税制改正関連法案の提出を目指します」とも話しました。
その言葉どおり、政府は与野党を超えて消費税率ゼロを話し合う「社会保障国民会議」を立ち上げ、課題の洗い出しや制度づくりなどの話し合いを始めました。夏までに結論を取りまとめる予定です。
3月18日に開かれた国民会議の会合では、参加した小売業界の関係者から、税率ゼロの準備には、システム改修などで、法改正から「最低でも1年」かかるとの見方が出ました。同25日の会合では、経団連や連合の関係者から、代わりの財源をまずはっきりとさせることの大切さや、外食産業への影響に留意する必要性、実務の現場の混乱といった課題が示されました。
(詳しくは本誌をご覧ください)
「月刊経理ウーマン」
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)




















