月刊経理ウーマン オススメ記事のご紹介

最新号ではこんな内容が掲載されています。
■2026年10月号(9/20発行)
特別企画/法人の「2割特例」の終了 仕入税額控除の控除率の見直し…
インボイス制度の「経過措置」の変更内容と直前対策が分かるQ&A

●会社が支出する「寄附金」の税務取扱いが分かる講座
●「残業代の未払い」でトラブらないための労務知識
●M&Aの活用!! 賢い「会社の売り方」教えます
●取適法(旧下請法)とフリーランス法の違いが理解できる10問10答
●息抜きで使ってみたい「面白&ユニーク電卓」大図鑑
●有名人が語る「わたしの金銭哲学」(大東駿介さん)

今月号の記事

経理ウーマン10月号/
特別企画/法人の「2割特例」の終了 仕入税額控除の控除率の見直し…
インボイス制度の「経過措置」の変更内容と
直前対策が分かるQ&A
税理士・行政書士 岡田 和己
 
 2026年7月30日、高市早苗首相は、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、現行の8%から1%に引き下げる方針を表明しました。あわせて中低所得者層には1%相当分の給付を行ない、飲食料品の消費税負担を実質ゼロにする、とのことです。
 法案は秋の臨時国会に提出される予定ですが、本稿を執筆している2026年7月31日現在では詳細が決まっていません。
 この例に限らず、消費税をめぐっては、これまで何度も制度の変更がありました。読者の皆さんのなかにも、そのたびに対応に追われてきた、という方が多いのではないでしょうか。経理担当者にとって、このような制度の変更を正確に追い続けることは、神経を使う必要があることから、とても骨が折れる作業です。ですが、経理業務を正確に行なうためには、避けては通れないものでもあります。
 そして、この消費税をめぐっては、運用開始が間近にせまっている制度変更があります。それが、インボイス制度にかかる「経過措置」の変更です。
 経過措置といえば、2026年10月より、インボイスを発行しない取引先から商品を仕入れた場合などに、支払った消費税のうち控除できる割合が80%から50%に下がる、との認識をお持ちのかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、令和8年度税制改正により、控除できる割合は次のように段階的に引き下げられることとなりました。

・2026年10月より 70%
・2028年10月より 50%
・2030年10月より 30%
・2031年10月より 経過措置終了(原則として控除不可)

 数字だけを見れば、控除割合が段階的にかわるという改正です。しかし、一般課税を採用している事業者にとっては、消費税の納税額が大きく変わる可能性があることはもちろん、インボイスを発行できない取引先との交渉、会計ソフトの設定変更またはアップデート、在庫や固定資産の取得価額など、実務のさまざまな場面に影響する可能性があります。
 本特集では、インボイス制度や経過措置の基本をおさらいをしつつ、経過措置の変更点や実務上のポイントを分かりやすく説明します。

Q1 そもそもインボイス制度はなぜ生まれたのでしょうか?

Answer  2019年10月に導入された軽減税率に対応するためです。

 インボイス経過措置の変更点に触れる前に、そもそもインボイス制度がなぜ生まれたのか、その経緯を簡単に振りかえっておきましょう。
 制度の出発点は、2019年10月に導入された軽減税率にあります。軽減税率とは、基本の税率は10%だけど飲食料品などは8%に軽減する、というものです。
 軽減税率導入前は、当たりまえですが国内の課税取引であれば原則として消費税率は同じでした。ところが、軽減税率の導入によって税率が複数になると、個々の取引にどの税率が適用されているのかを正確に把握する必要があります。把握できていないと、正しい経理や申告はできそうにありませんね。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン10月号/
どんな場合に経費にできる? いくらまで損金算入が可能なの?
会社が支出する「寄附金」の税務取扱いが分かる講座
税理士 林 義章
 
こんな支出が税務上の寄附金となる

 個人にとって「寄付をする」ということには、善意からお金や物資を困っている人に届けるという良いイメージがあります。一方、法人にとっての寄附金は、必ずしも良いイメージのものではなく、ネガティブなものとして捉えられることがあります。
 私は以前、上場会社の経理部に所属し、税務を担当していましたが、契約書をチェックしている法務部から、「この契約書の内容を見てほしい。寄附金課税のリスクがあるかどうか確認してほしい」といった連絡を受けることがありました。「寄附金課税」と言われてしまうくらい、会社の税務を担う者にとって、寄附金は「あってはならないもの」「避けて通りたいもの」というネガティブな位置付けで捉えられているのです。
 この寄附金に関して法人税法では、次のとおり定義が定められています。

・寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、法人が行なった金銭その他の資産または経済的利益の贈与または無償の供与をいう

 つまり、法人が個人や他の法人などに対して、見返りなしにお金を支払ったり、本来その個人や他の法人が負担すべきものを代わりに負担したりすると、法人税では寄附金として取り扱われることになります。
 ただし、金銭その他の資産または経済的利益の贈与または無償の供与であれば、すべて寄附金になるのかというと、必ずしもそうではありません。自社の製品の広告宣伝のために、次のような活動を行なうことがあります。

・抽選により、一般消費者にプリペイドカードを配布したり、旅行や観劇などに招待したりすること
・ポイントカードやスタンプカードにおいて、一定のポイントに達した場合や、一定数のスタンプを集めた場合に景品をプレゼントすること
・自社の商品等を購入した場合には旅行や観劇等に招待することを広告宣伝し、実際に購入した一般消費者を旅行や観劇等に招待すること
・商品を購入した一般消費者に景品をプレゼントすること
・工場見学において製品を試飲または試食してもらうこと
・得意先に対して見本品や試供品を提供すること
・自社の製品などを継続的に試用した一般消費者や、消費者動向調査、いわゆるモニターに協力した一般消費者に対して、謝礼として金銭やプリペイドカードを交付すること
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン10月号/
未払賃金と付加金あわせて4500万円を超える支払命令が出たケースも!!
「残業代の未払い」でトラブらないための労務知識
弁護士 向井 蘭
 
 近年、残業代の未払いをめぐるトラブルは急増しており、なかには未払賃金と付加金をあわせて2名に対して4500万円を超える支払いを会社に命じた裁判例もあります。しかも、こうした請求は決して大企業だけの問題ではありません。むしろ、労務管理の体制が整いきっていない中小企業のほうが、深刻なダメージを受けやすいのが実情です。
 本稿では、使用者側の労働問題を専門とする弁護士の立場から、なぜ今これほど残業代トラブルが増えているのか、実際にどのような裁判になっているのか、そしてトラブルを防ぐために会社が押さえておくべきポイントは何かを、できるだけわかりやすく解説します。

残業代トラブルは静かに進行する!?

 まず実感していただきたいのは、残業代をめぐる紛争が「特別な会社で起こる特別な事件」ではなくなっているということです。以前は労働組合との対立や大規模なリストラの場面で問題になることが多かったのですが、今は、ごく普通に働いていた従業員が退職をきっかけに突然、過去の残業代を請求してくるパターンが目立ちます。
 典型的なのは、退職した元従業員から、ある日、弁護士名の内容証明郵便が届くケースです。「過去3年分の未払残業代を支払え」といった請求が記載されており、金額を見て初めて社長が事態の深刻さに気づく、という流れが少なくありません。
 在職中は何の不満も口にしていなかった従業員が、辞めた途端に請求してくる?この「静かに進行する」性質こそ、残業代トラブルの怖いところです。
 しかも、こうした請求は業種や規模を問わず起こります。労働時間の管理があいまいなまま「なんとなく」運用されていれば、リスクは等しく存在します。「うちのような小さな会社に、まさか」という感覚こそが、対応を後手に回らせる最大の原因といっても過言ではありません。
(詳しくは本誌をご覧ください)

前月号の記事

経理ウーマン9月号/
特別企画/最近の傾向からやってはいけないタブー言動まで 敵を知れば百戦危うからず!?
「税務調査」の疑問が氷解する14問14答
税理士・米国税理士 出口秀樹
 
やましいことがなくても不快なものは不快!?

 “税務調査”。この四文字を耳にした瞬間、胸の奥がざわつく方は少なくないと思います。
 会社経営者はもちろん、経理担当者であっても、できれば一生縁がないままでいたいと考えるでしょう。税理士である私でさえ、進んで受けたいと思ったことは一度もありません。ただし、納税者の代理人として調査に臨む税理士は、どれほど経験を積んでも、当事者である納税者と同じ心境にはなれないものです。
 …そう感じていたのは、あの日まででした。ある日の午後、事務所の電話が鳴りました。受話器を取ると、落ち着いた声が耳に届きます。
調査官「〇〇税務署・個人課税部門の特別調査官〇〇です。〇月〇日から5日間の予定で税務調査を実施したいのですが」
私「そうですか。どちらの納税者の件でしょうか?」
調査官「先生ご自身の調査です」
私「…あ、そうですか」
 その瞬間、背筋に冷たいものが走りました。税理士人生で初めて“自分が調査される側”に回ったのです。税理士が調査対象となれば、担当するのは当然ながら腕利きの特別調査官です。こちらはといえば、他の税理士に依頼するわけにもいかず、ほぼ100%自分で対応するしかありません。
 調査が始まってみて痛感しました。何もやましいことがなくても、不快なものは不快なのだと。幸い、申告内容に修正事項は一つもなく、3期分すべて“是認”という結果をいただきました。しかし、調査期間中は常に「どこかに見落としがあるのではないか」という不安が頭をよぎります。税理士であっても、それは同じです。
 本稿では、世間でまことしやかに語られる“税務調査の疑問”に、現役税理士としてお答えしていきます。昨今はAIの普及により、今回取り上げる14の疑問も、検索すれば瞬時に回答が得られる時代になりました。しかし、その回答には 古い情報や明らかな誤りが混じることも少なくありません。
 AIはWEB上の情報を参照しますが、税制は毎年改正されます。古い情報をうのみにすれば、実務では致命的な判断ミスにつながります。
 税務の世界でAIを使うなら、慎重さが欠かせません。税務調査は、会社の状況、経営者の姿勢、税理士の対応など、複数の要素が絡み合って結果が変わります。ただし、原則は変わりません。本稿では、その原則を中心に、実務の現場で感じる“生の空気”も織り交ぜて解説していきます。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン9月号/
非効率な仕事の進め方 無駄なコストの増加… 原因を把握して早めに対策を講じよう!!
「忙しいのに儲からない」と感じたときに
チェックすべき5つの項目
株式会社チャイルドピース代表取締役 中小企業診断士  筑間 彰
 
 売上は前年を上回り、注文も増えている。社員は電話やメールへの対応に追われ、現場では残業も続いている。それなのに、月末の試算表を見ると利益はほとんど増えていない-。「これだけ忙しいのに、どうして儲からないのだろう」。こんな声を、社内で聞いたことはないでしょうか。
 あるいは、自分自身がそう感じていることがあるかもしれません。こうしたとき、「会計処理のどこかが間違っているのでは」と心配になる方もいるでしょう。しかし、数字が合っていても、忙しさが利益につながらないことはあります。売上を増やすために、仕入、外注、残業、配送などの費用がそれ以上に増えていれば、会社に残る利益は少なくなるからです。
 まず押さえておきたいのは、「売上」と「利益」は別のものだということです。売上から、商品を仕入れたり製造したりするために直接かかった費用を差し引いたものが「粗利益」です。さらに粗利益から、人件費、家賃、広告費などの経費を差し引いて、ようやく営業利益が残ります。売上のすべてを自由に使えるわけではありません。
 また、「利益は出ているのに現金が残らない」という場合は、売掛金の回収が遅れていないか、在庫が増えていないか、借入金の返済が大きくないかも確認が必要です。利益と現金の動きは必ずしも一致しません。ただし、そもそもの利益が少なければ、資金繰りだけを工夫しても根本的な解決にはなりません。まずは利益がどこで減っているかを確かめ、その後に現金の流れを見る、という順番で考えましょう。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン9月号/
在庫の評価額はどう計算する? 税務調査対策のポイントは?
もう一度おさらいしておきたい「棚卸資産」の税務知識
森公認会計士・税理士事務所 森 哲哉
 
 本稿では企業会計の中でもとても重要な資産である棚卸資産について考えていきましょう。「今月は棚卸がある」なんて誰かが言うのを、多くの方が一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。棚卸というのは、何がどれだけあるか数量を確認していく作業に他なりません。時間も手間もかかります。しかし、多くの企業が時間や手間をかけてそれを行なっています。
 一体なぜでしょうか? それは棚卸資産がとても重要であるからに他なりません。その重要性について、これから一緒に検討していきましょう!

棚卸資産の数量如何で利益が大きく変わる!

 そもそも「棚卸資産」ってなにを指すのでしょうか? 端的に言うと、棚卸資産とは、企業が営業活動を通じて販売する目的で一時的に保有している資産の総称です。一般的に「在庫」などと呼ばれることもあります。勘定科目としては、次のように表記されます。

「商品」…卸売業・小売業などで仕入れて、そのまま販売するもの
「製品」…製造業で完成した販売可能なもの
「半製品・仕掛品」…製造途中にあるもの
「原材料」…製品製造のための材料
「貯蔵品」…その他の販売や一般管理活動で短期間に消費されるものなど

 棚卸資産は貸借対照表の流動資産に計上され、売上原価の計算に直結するため、企業の利益や税金に大きな影響を与えることになります。
(詳しくは本誌をご覧ください)

前々月号の記事

経理ウーマン8月号/
特別企画/トラブルを回避して従業員との信頼関係につなげる!
小さな会社の「就業規則」―これだけは押さえておこう!!
コントリビュート社会保険労務士法人代表
特定社会保険労務士 志戸岡 豊
 
就業規則は「職場のルールブック」だ

 はじめに、就業規則の基本の「キ」として、作成する意義と法令上の作成義務基準について確認しておきましょう。
 就業規則とは、ひと言で言えば、「職場のルールブック」です。もう少し詳しくいえば、社員がその職場で働くうえでの守るべきルールや働いた場合にもらえる給料や受けられる保障、福利厚生といった待遇を定めた文書ということになります。そのため、就業規則がない会社は、ルールが明文化されていない状態と言えます。
 就業規則以外の書類、例えば個別の雇用契約書に給料に関する事項が書かれていたとしても、雇用契約書に記載された以外のことについては社長の頭の中にある状態になります。
 就業時間や休日、給料(お金)をはじめとした働くうえでの重要な労働条件がころころと変わっては働く社員にとっては不安定で生活保障がありませんし、そもそも、会社側がいったん決めた給料や休日といった労働条件を勝手に悪く改定することはできません。
 社長が1人で会社を創業し、その後初めて社員を雇用するようになった時点では、初めてのことだらけで、社員に対するルールが定まっていません。その後、1人また1人と雇用する社員が増えていく中で、自社の雇用条件や給与の統一的なルールを検討することが多いと言えます。そのため、法令(労働基準法)においても、就業規則は、社員が1人や2人の会社には作成が義務付けられてはおらず、労働基準法により「常時10人以上の労働者(パート・アルバイト含む)を雇用する事業場」に作成・届出が義務付けられています。
 筆者は社会保険労務士として多くの企業の就業規則の作成・整備に携わってきましたが、この常時10人以上というのは非常に良い塩梅の基準です。本音を言えば社員数が1人だったとしても、就業規則を整備する意味はあります。しかし、実際の雇用の現場は1人目に例えばパートさんを雇用し、2人目に正社員を雇用しようとなった場合、自社の待遇や労働条件について考えてみたところで、社員全員に適用する統一的なルールをどのような内容にするのがいいのかは経営者にとっても、まだわからない状態です。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
ありがちなケースにズバリ答えます!
「役員報酬の実務」7問7答
公認会計士・税理士 大西康記
 
 まず基本的な事項ですが、最初に役員の範囲について確認しておきましょう。
 法人の役員といえば、皆さんもすぐに取締役・監査役などを思い浮かべるでしょう。これらは会社法で定められている役員であり、法人の登記事項となります。その他にも会社法上の登記される役員として、執行役、会計参与、理事、監事、清算人などが該当します。
 これに対して法人税法上の役員とは、会社法上の役員をもちろん含みますが、さらに範囲が広くなっています(図表1参照)。会社法上の役員の他に、次の者も役員に含まれると考えてください。

① 法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
② 同族会社の使用人のうち、一定の要件(注)を満たす者で、その法人の経営に従事している者
(注)株式などの所有条件が決められていますが、ここでは詳細は省略します。

①②とも、「法人の経営に従事している者」となっていますが、ここがなかなか判断が難しいところです。事業運営上の重要事項(事業計画や人事など)について、法人の意思決定に参画しているような場合が該当します。
 登記はされておらず、相談役や顧問の肩書だけあるような者であっても、上記のような事実があれば、法人税法上は役員とみなされてしまう可能性があるということです。
 役員報酬の支給ルールについてこれからお話ししていきますが、会社法上の役員だけでなく、法人税法上の役員に対しても適用されるとご認識ください。

損金算入される役員報酬の要件とは

 法人税法上、損金算入される役員報酬に関しては、支給時期やその他の要件が厳しく定められています。なぜなら、役員自身がお手盛りで役員報酬を決められるとしたら、法人の利益が多く出そうな時に役員報酬を多く出して利益圧縮するなど、恣意的な調整が可能になるからです。
 なお、仮に税務調査で支払った役員報酬の損金が否認された場合(損金不算入とされた場合)には、社外流出項目といって当該否認金額を将来損金にできるチャンスはありません。
(詳しくは本誌をご覧ください)
経理ウーマン8月号/
不調のシグナルに気付いて早めのケアを心がけよう!
社員の休職・離職を防ぐための「メンタルヘルス対策」教えます
社会保険労務士法人キラリス代表
特定社会保険労務士 糟谷芳孝
 
 遅刻や欠勤が増えた、仕事のミスが目立つようになった、表情が暗くなった、周囲との会話が減った。こうした変化は、単なる一時的な疲れではなく、メンタルヘルス不調のサインであることがあります。
 厚生労働省の資料(次ページ図表)によると、精神障害に関する労災の支給決定件数は、令和5年度に883件、令和6年度には1056件となりました。仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災として認められるケースは増加傾向にあります。
 また、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施が義務化され、令和10年4月1日から施行される予定です。
 ストレスチェックは、労働者が自分のストレスの状態に気付き、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための簡単なストレス検査です。
 メンタルヘルス不調の増加を背景に、労働者数50人以上の事業場では、平成27年から既に義務化されています。
メンタルヘルス対策というと、大企業や専門部署のある会社の話と思われるかもしれません。しかし、実際には中小企業ほど、一人の休職や離職が職場全体に与える影響は大きくなります。中小企業がメンタルヘルス不調による社員の休職・離職を防ぐために、会社としてどのような点に注意し、どのような対策を実行すべきか。ここからは、事例を交えながら解説していくことにしましょう。

メンタルヘルス不調の原因で多いのはハラスメント

 最初の事例は、体調不良から社員が自殺してしまったケースです。

 総務課に異動したAは、業務処理の遅れやミスが目立ち、上司であるBから日常的に強い口調で注意を受けていました。異動から1年後、Aのミスと上司Bの叱責はさらにエスカレートし、Aは呼び捨てにされるようになりました。Aは激しい体重減少(15キロ減)に加え、周囲に「死にたい」と漏らすなど深刻な体調不良に陥っていました。
 その事実は上司Bや他の係長ら上司にも伝わっていましたが、担当業務を一時的に軽減する以外に適切な対応(配置転換など)は取られず、異動から約2年後にAは自殺してしまいました。遺族は会社に対し、損害賠償を求めて提訴しました。
(詳しくは本誌をご覧ください)
「月刊経理ウーマン」
●創刊:1996年4月●体裁:A5判、縦組、116ページ ●発行日:毎月20日●年間購読料:11,100円(税・送料込)
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